助けるためとはいえ、400万円をキャッシュで渡した

以前勤めていたホームページ制作会社は、従業員5名ほどの小さな会社でした。

仕事は毎日終電までと忙しく、お酒好きな社長はそれでも毎晩タクシーで近くのバーで飲んでいる、そんな会社でした。 様子が変わったのは、その社長が大きなクライアントの担当者を接待しなければならなくなったときでした。

常連となっているバーしかいかない社長は困り、そのバーテンダーに相談したところ、「女性が接待をするクラブはどうですか?」とおすすめの店を紹介されました。 お陰で接待は上手く行ったらしいのですが、それから社長の行き先はバーからクラブに変更し、しかもバーと同じペースで行きだしました。

当然お気に入りの指名女の子もでき、仕事も投げ出して同伴やアフターも多く、イベントにも積極的に参加するようになってからはもう借金まみれへ一直線でした。 そしてある日「あの女の子、ホンマに苦労してるから助けたるねん」と返済されるかもわからないのに400万円をキャッシュで渡したことを、飲み会の席でほろ酔いの中告白されると、私もこれで最後なんだなと思うようになりました。

借金が原因で独りぼっちに

それまで小さいながらも無借金経営をしてきたその会社も、雪だるま式に借金を繰り返し、私を含め社員は退職、正に全てがなくなり借金と共に社長は独りぼっちになりました。

その後はあまり詳しく聞いてませんが会社そのものは残っているものの、形だけとなっているようです。

大変お世話になった社長さんですが、非常に残念な形となってしまいましたが、せめて借金の反面教師としてしっかりと学ばさせて頂きました。