彼は男尊女卑の家庭で育った

私には、数年前に仕事関係で知り合った知人がいます。

現在は、彼女が引越ししたため、なかなか会えず疎遠になりましたが、一時は近くに住んでいたためよくお茶をしに行きました。 そんな彼女の借金返済の話です。

彼女は、高校卒業後に就職して、とあるメーカーの事務職に就きました。 そこで十年ほど働き、現在のご主人と知り合ったそうです。

私も会ったことがありますが、とても誠実そうなご主人で、彼女よりも5歳ほど年下でしたが、きちんとした男性だと言うイメージがありました。 でも、実はこのご主人が借金に関して厄介な人だったようです。

ご主人の実家は、お父さんが大手メーカーの会社員、お母さんが専業主婦であり、お姉さんがいましたが、結婚して家を出て行ったそうです。 このお父さんですが、昔気質であり、いわゆる男尊女卑が当たり前の家だったそうです。 そのためか、お父さんの言うことは絶対であり、お母さんは常にお父さんに気を使って生活をしていました。

このような家で育ったためか、ご主人も男尊女卑の思想が強く、男を女が立てるべきと言う考えを昔は持っていたそうです。 それでも、付き合い始めた頃には、彼女にも優しく、とても人に気を使うマメな人だったんだそうです。 けれど、結婚した頃から、彼は次第に変わっていきました。

事業が上手く行かず夫婦そろって借金をすることに

まず、いきなり仕事を辞めると言い出し、原因を言わないままで、急に仕事を辞めてしまったそうです。

彼女は結婚してからも働いていましたが、彼は営業職で彼女は事務職であり、部署が違っていたため、退職の理由は分からずじまいでした。 その後、自分で仕事を起業すると言い出し、いきなり借金をして運送業を始めたそうです。

軍資金が無いため、彼女に黙って親に借金をして、その他にも、金融会社からお金を借りていました。 また、借金をしただけでなく彼女にも仕事を辞めるように言い、自分の仕事を手伝わせたそうです。 彼女も朝から夜遅くまで、運送の仕事を手伝い、経理なども担当していました。

当初から仕事は軌道に乗らず、赤字が続き、借金だけが増えていきました。 そのため、彼は限度額まで借金をしてしまい、追加で借金が出来ないほど借りてしまったそうです。 彼がお金を借りることが出来なくなったため、ついに彼は彼女に借金をするように言い出しました。

ここで彼女から相談を受けたのですが、私は勿論、彼女が借金をすることには大反対しました。 けれど、彼女は彼のことを信用しきっていたため、彼女名義で金融会社から借金をしてしまったのです。 結局は彼女も限度額一杯まで借金をしてしまい、借金の返済総額は600万円ほどになってしまったそうです。

お金の返済が困難となり債務整理をすることに

生活も苦しくなり、運送の仕事以外にも、二人でポスティングなどのアルバイトをして、必死にやりくりをしていました。

ですが、やはり借金を返済することが出来なくなり、債務整理をすることになりました。 その後は、自分たちで払える金額を少しずつ支払い、現在は、借金は彼女の分である100万円ほどが残っているだけとなりました。

彼女の話では、まず、夫の借金を最初に返済したそうであり、夫名義の借金は今は無いそうです。 この借金返済の話を聞いて、彼女の親は大激怒して、彼女に離婚するように何度も言ったそうですが、彼女はどうしても夫への愛情から、離婚することが出来ませんでした。

その後は彼女は夫と共に引越し、現在は少し遠い所に住んでいます。 けれど、とても心配なのが、彼女の借金返済がまだ残っていることや、彼女の夫がまた起業したいと言い出していることです。

また、彼女がやつれるほど大変な目に合わないか、遠くから心配しています。 借金のことなどは何度も忠告はしているのですが、大丈夫なのかとても心配です。