母は金銭管理ができない人だった

私の母親はお金にだらしない人間でした。

大金を持つと歯止めが効かず、散財してしまい、クレジットカードを持つとお金が無限に湧いてくると思っていたのでしょうか。 散々クレジットで清算した挙句、最終的にはその借金の返済ができずブラックリスト入りとなってしまいました。

母の借金を知った父は母が言い訳をすると暴力を振るい、何度か母が家を出たことがありましたが、結局は父が母を許していました。 毎回、今後借金をどのように返済していくかの話し合いになり、祖父母や従妹からお金を借りて支払うという方法でなんとか返済をしていました。

当時子供だった私は暴力を振るう父を見て、父の方が悪人だと思っていたのです。 ですが、ある日を境にお金にだらしない母の性格を知った私は、父が母に暴力を振るうのは当たり前だと考えるようになり、特に止めもせず弟と外で散歩をしていました。

借金の返済が増えると生活が苦しくなりますが、母は世間体を一番に考えていたので、私たち兄弟は外見だけはとても綺麗な身なりをさせてもらっていました。 それも結局は母の意地だったのですが、他の子たちと浮いてしまうのが嫌な私は素直に母の意地を理解し、黙って従っていました。

無理をして他の人間たちの生活のレベルに合わせてしまうといつかはパンクしてしまいます。 5度目の母の借金が発覚したとき、父が母を殴る前に私が母に殴りかかっていました。

お金が無いという理不尽さも十分理解ができていたのですが、母が借金をする理由が当時はまだ理解できていなかったのです。 子供の生活費にとてもお金がかかってくるのは分かっているのですが、父の稼ぎでそれは十分に補えるはずだったのです。

借金癖が原因で親は離婚をした

結局、借金返済が原因で父と母は離婚し、私たち兄弟は父について行きました。

私が中学3年生のころ、リーマンショックの影響で父の給料が減り、私は高校進学を諦めて働く事になったのですが、今は父も母も恨んでいます。

一生を貧しいまま生きる可能性が高く、お金を稼ごうという気力も湧きません。 現状を保つのが精一杯の私に今できるのは、出来る限り借金返済などのリスクが無い安全な選択を選び続ける事だけなのです。