兄に頼み込みお金を借りた

人に雇われるのが嫌で、中古車店、クリーニング店、建築現場への人材派遣等、自らが社長となり経営しては失敗の繰り返しをして、借金が膨れ上がっていきました。

妻には内緒で実家の母のところへ行き、数万円をもらっては自分のおこずかいにしていました。 社会人になった妻の連れ子にも100万円単位のお金を援助してもらいました。

また、実の兄に頼み込んで兄名義で銀行から借金でお金を借りてもらいましたが、毎月兄にその借金を返済する余裕などなく、兄から逃げるように電話番号を変え、家族と住まいを変えて生活をしていました。 それでも、貧しいと思う生活をしたくなくて、パチンコをしたり、たばこもやめられず、ペットを飼ったり、接待には惜しみなくお金を使いました。 もちろん借金をしてです。

そのような借金まみれの生活は到底続くわけではなく、とうとう自己破産をしてしまいました。 税金など支払い義務のあるものについては、今は除染作業員として働きながら少しずつその借金の返済をしています。

借金返済で身内に迷惑を掛けてしまった

自分の身勝手からの借金で自己破産までしてしまいましたが、唯一ほっとしているのが、「ヤミ金融」というものに手を出さなかったことです。

兄にはいまだに借りたお金は返済していませんが、もしヤミ金に手を出してしまっていたら、その借金返済で自分の家族他、兄にはさらに迷惑がかかってしまっていたのではないかと思います。 このような生活をして一番悔やむことは、借金返済のために父の葬儀の香典を出すことができなかったことです。 礼服も知人から借りて参列しました。

借金が返済できずに連絡を絶ってから、はじめて葬儀で兄と顔を合わせました。 借金のことで怒鳴られるかと思いましたが、兄は一言も話しかけては来てくれませんでした。

社長だった時の自分は、経営がうまくいかなくても一番上にたって人を動かしていることが快感でした。 ですが、これから一生、後ろめたい気持ちで生活していくのだと思うと、後悔ばかりが募る毎日です。

母ももう90歳近いため、再び父の葬儀の時のようなことがないように、少しずつでも貯金をしてこれからに備えていきたいと思います。